「明日、ママがいない」はスポンサード広告モデルが見直されるチャンス

川合です。

いつもと少し傾向を変えて、書いてみたいと思います。

私はいつもトルネを使ってPS3でテレビを録画してみているのですが(最近だと半沢直樹リーガル・ハイ失恋ショコラティエ)、それをしていない作品があります。

それは色々物議をかもしている、明日、ママがいないです。当初はスポンサードされていましたが、その内容に児童養護施設側が誤解を招くと反発が起こり謝罪要求と作品の内容の是正を求められましたが、日本テレビ側が対応をせず、4話以降スポンサードが打ち切られ、ACが流れ、結果最終回(9話)を迎えました。

世の中に何度も問題提起してきた野島作品らしい展開でした。

ここで、スポンサードされなくなりましたが、視聴率の推移を見ると、

今夜放送『明日、ママがいない』、これまでの視聴率は?
初回で14.0%を記録した本ドラマは、騒動が拡大した第2話で13.5%、第3話で15.0%となった。しかしその後は、13.1%、11.6%、11.5%、11.8%と推移し、第8話では11.8%となっている。

と、予想よりも安定していました。最終回の数字が出ていませんが、8話よりも大きいと思われますので、13%程度と仮定して、平均視聴率は全体で、12.8%、スポンサードが無くなった4話以降の平均が12.1%とテレビ不況と言われているこの時代ではなかなか良いスコアだと思います。また、水曜10時という時間帯を考えても安定していると思いますし、良い作品だったことが分かります。

この作品の特徴は児童養護施設というキーワードに高校教師、人間失格でセンセーションを巻き起こした野島伸司脚本という点だったのですが、蓋を開けてみると、親子愛の形の再定義というテーマだったので波風も少なく、人の心理面に深く入り込んだ作品に仕上がっています。

ドラマというよりも小説に近いのではないかなと思いました。そのため、爆発的な視聴率は稼げませんでしたが、いぶし銀の作品になったと思いますし、なんといってもハリウッド女優(※)を起用した点が見逃せません。

さて、私はこの作品を連続でも見ていませんし、その時間帯に家にいるわけでも無いので、リアルタイムで視聴していません。ではどこで見ているのでしょうか?

それはYoutubeです。

Youtubeの日テレチャンネルです。

さらにここでは広告が一切無いためインターネット回線接続速度以外は、ストレスがありません。

という事は見逃しても1週間は見れるわけです。

Youtubeで見るということは作品と広告が分離しています。広告のために強引に割りこませるようなカット割りを考えなくても良くなります。

となると、必然的に作品の作りこみによる価値は上がるので、テレビへの回帰が行われスポンサードも行われやすくなります。世の中に批判的な人間がいるからといって、広報対応としてイメージダウンが一時的になるからと、スポンサードを降りるというのはポリシーがあまりにもないと思います。

つまり、それだけ広告宣伝費について誰も何も考えていないということになります。

4Kテレビになった時に、広告がどのように変わるのか、ブロードキャスト広告が減り、作品内で使われている小物などについて、開いたスペースを使ってインタラクティブに表示させていき、インターネットのフリクションポイントである検索という部分を排除していくなど、テレビだからこそできる事があると思います。(いまのフルHDでもdチャンネルを使えば情報は見れますが、情報の出し方がチラシのようでいけてない)

過去にインターネットとテレビの融合にチャレンジして来た方がは多いと思いますが、同じ通信でもその属性と存在する場所が全く違ったということの証左ではないだろうかと私は思います。

下手に融合させるよりもそれぞれ独立して運用していったほうが現在のフェーズでは賢いと思いました。

話を戻しますが、「明日、ママがいない」はスポンサードを無視したフリーミアムモデルとして語り継がれることになるでしょう。

誰にも干渉されること無く作品を維持すると、ハレーションは起きるが、作品としてのバリューがあがる、もしくは維持されるということですね。

本件に関しては、お金と品質のバランスを見つめなおす良い機会だったと思います。結果的に、9話と通常よりも2話少なくなりましたが、これは打ち切りではなくそれだけ、意味のないスポンサード広告を流していたんだろうということが推測されます。youtubeでは50分しっかり流れていますので通常よりも1話2話分凝縮されていると考えて問題無いと思います。

繰り返しになりますが、今後は、広告と作品が分離していき、課金とコンテンツの距離感も見直され、適切な提供がなされると私は思います。

私は広告という分野に触れたことがないので、これ以上話すことは出来ないが、今回の件はテレビと言うものの価値を再認識した良い出来事だったと思います。

芦田愛菜さんの事。パシフィック・リムに出演。その演技に監督も絶賛。本作品では新旧の子役大女優同士の共演が本当は話題になるはずだったのに(セリフにも匂わせている)、児童養護施設側のクレームやスポンサード回避運動が目立ちすぎて、内容にフォーカスされなかったという悲劇の作品。見てみるとしっかり作りこまれていて良い作品だった。

<追記>

その後、最終回が12.8%という記事が上がりましたので、アベレージは1−9話までで、12.78%, 4−9話までで12.1%でした。予想がだいたいあたっていた感じですね。