いや、電子書籍はまだ過渡期ですよ

「あなたはKindle等の電子出版物を買った事がありますか?」と学生に訊いてみたらけっこう絶望しちゃった話

この原作者のかたのブログを読んで、いやいや、そこで明確なのは電子書籍と決済関連が未整備だからまだこれからでしょ、市場が何パーセントか知ってます?とか色々思ってしまいました。

ちなみに、書籍・雑誌市場全体は1.7兆円程度で、ここ最近はマイナス成長です。内書籍は7800億ちょっと、雑誌は8900億ちょっと。

しかし、電子書籍市場は720億円程度で書籍市場の9%程度のようです。また、各種将来予測としては2015年までに3000億円ぐらいまでいくでしょうとの事で、現在の市場の30%は変わるようです。成長速度は200%らしいのですが、単純に紙の置き換えだからですね。市場自体が成長していく訳ではありません。

なので、クールジャパンは海外進出を目論んでいるというのが実際の流れとなります。

クリエイティブ産業海外展開強化に向けた調査報告書

ここでいう電子書籍市場はスマフォアプリも含まれているので、今後の主戦場はAmazonkobo, iBookStore等になっていくと思われます。何よりもデバイスがようやく揃って最も利用されるデバイススマホしかもiPhoneではないかと思われます。

また、産業革新機構から出資されている電子取次である(株)出版デジタル機構が過去の作品をガシガシ電子化していくでしょうから加速すると思いますが、マーケティング無しにやるので、かなり死屍累々かもしれないと思われますが、この人たちがやろうとしているのは自炊業者の撤廃で、著作権料の適正支払なので、ちょっと向いている所が違う気がします。

どっちかというと、音楽のネット配信時に上手くコントロール出来なくってそんなこんなやっているうちに市場が萎んだということにならない様に手を打ったという感じでしょうか。

それよりも、本屋を今後どうすんだという話になるのですが、結局の所ユーザエクスペリエンスを適切に提供出来ない大手・中堅どころが萎んでいき、残るのはAmazon紀伊国屋、蔦屋、ジュンク堂と町の本屋、ヴィレッジバンガード古書店ぐらいでしょう。これはAmazonによってアメリカの本屋がどうなったのかの歴史をひもとくと簡単で、特徴が無く本を売っている店は潰れ、ユーザエクスペリエンスを尖らせるか、+αを提供出来ている所は生き残る、つまり差別化戦略をとれるか(再販制度があるのでコストリーダシップは戦術上とれないため)に掛かります。

また、本屋は無くなりません。

それは、Amazonでの偶然の出会いと本屋での偶然の出会いは似て非なる物だからです。それは表紙買いしやすいのがAmazonで立ち読みをちゃんと出来て評価してから買うのが本屋だからです。

これは音楽も一緒で、視聴して良かったから買うし、iTunesで買ってもCDを所有したいから買う人もまだまだいる訳で、聞きたいという欲求と所有したいという欲求に大きな違いがある、という事なんだと思います。

なので、話を最初に戻しますが、単純に電子書籍なんてはやんねーよというのは、判断するのはまだ早くってほんと今後だなと思います。今回の話は10代の子達がクレジットカード持てないし、iTunesカードを買って読むなら本屋とかコンビニでジャンプとか買うわって話ですので、この問題提起について何かしら解決策を出しましょうねって言う事だと思っています。

その一つの形として、コンテンツはタダで広告費で行きましょうというのは良いとは思いますが、それってフロー型コンテンツだから出来る訳で、本来のストック型コンテンツであれば、ちゃんと売切りとして単体課金しておかないとおかしな事になります。

なので、私は週刊誌は広告モデル、文庫本・単行本は単体課金モデルが正しいのかなと思います。

そして、値段が安いから課金するという事ではなく、高くても安くても価値があるなら課金すると思います。我々の世代は1冊390円の単行本を買っていたのですから。どうやら、この部分に関してちゃんとマーケティング出来ている人が少ないのかなというのが本音です。また、回収しきったのでブラックジャックに宜しくの様に適切なコントロールするのはありだと思います。

そういう風にもっと柔軟に考えるべきではないかなと思います。

ただし、個人にあんまりお金が入らない仕組みなのはどうなのかなぁというのが、すごく複雑な気がします。